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この表現を“切り絵”と一言で括って良いのだろうか?
けれどそんなカテゴリーもどこ吹く風、人形職人一家に育った彼は仕事の傍ら
飄々と自身の作品を創りためてきた。
緻密な切り抜きは勿論のこと、柔らかく温かいグラデーションも全て薄く剥いだ和紙を
重ねることで創り出す。
「絵の具を滲ませるんじゃだめなの?」と聞くと「こっちの方がやりやすいんです」とサラッと答える。
決して苦労自慢ではなく、本人にとって最も自然な行為。
けれど端から見れば気の遠くなるような超絶技巧。
つまりそれを“本物”という。
(2015「あの人の好みもの」展,推薦文より)
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